せどりつづける

酒井法子が逮捕された時のことはよく覚えている。せどらーとして、つまりなんというか「この手のこと」を経験するのが初めてだったから。ヤフオクでそれまで入札がなかった「NORIKO BOX」がグングン上がって2万を超えた。相場がよくわからなくて即決にしてなかったのが功を奏した。

★★★

日曜日。
11時から7時まで仕入れ6軒。自分にしてはよく頑張った。内容もまずまずで85点。当然「ASKA・飛鳥」の文字をピックアップするように頭の片隅にポストイットしておいたが、あまり珍しいものはなかったと思う。CDを1点だけ仕入れ。

例えばこれ狙い撃ちで、移動込30分*20店舗を1日で廻るというやり方もあるだろう。やってそうな人は意外といそうでいなさそうで、やっぱりいるかもしれない。もし思うような結果が出なくても、1日つぶれただけだ。上手くいけば3日分とか1週間分とか稼げるかもしれないし、少なくとも次回似たようなことがあったとき、その経験が役に立つはず。

ただ今回ぐらい大きなネタになると、普段CDを見ないような人まで参加する(ような気がしてしまう)ので、一応専門にやっている者として、同じ土俵で勝負するのはいかがなものか、というのが一番もっともらしい理由だが、実際は単なる「イベント嫌い」なだけだ。これはパチスロをやっていた頃からそうで、イベントで並ぶのも攻略ネタで遠征するのも嫌いだった。とにかく「ヒラ打ち」が好きな性分なのです。若い頃にこの人の日記を読んでいたせいかもしれない。

火曜日。
故障していたトラックボールの代用品がようやく届く。メールから3週間ほどか。当然その間はマウスでしのいでいた。3年間の保証期間内で3回目の交換。そこまでして…と思わないでもないが、やはり腕への負担を考えるとやめられない。もう少しキーボードのショートカットを本格的に覚えた方がいいのかもしれない。

日付が変わって〆。一応今年イチだったが、仕入れと経費も増えているので利益はあまり変わらず。

水曜日。
今日で3日連続の自宅作業。出品物はあまりないのだが、本の収納スペースが狭くなってきたので、積読の消化と既読の処分をすることにした。

僕が持っている「本」と言えば、もちろんマンガ・小説・雑誌のことだ。絶対電子書籍になりそうにないマンガや、音楽雑誌のバックナンバーが結構あって捨てられない。安いものばかりなので、いったん捨てて読みたくなったらまた買う、というのもありだと思う。実際CDはそうしているのだが、本だとなぜかできない。とりあえず実家と言う名の書庫に送ろう。

「これはもう読まないだろう」という本を抜き出して、捨てる本とFBAに出す本にわける。ほとんどが捨てる本になるわけだが、捨てる前にもう一回…と思って読んだら捨てられないといういつものパターン。

木曜日。
午後から近所で仕入れ4軒。考えて棚に戻すもの多し。やや手堅い感じ。当然チャゲアスなど影も形もない。そういえば、洋楽コーナーでピコピコしていると、背後から店員同士の

「○○さーん、(ストッカーに)チャゲアスありますけど、どうしますか?」
「ああ、俺もそれさっき見たけど、別に出してもいんじゃね?」

みたいな会話あり。今後もこういう「祭り対策」傾向は強くなるだろう。帰りにひどい夕立。帰宅して水槽の水替えなど。

金曜日。
仕入れ4軒。ちょっと、かなり残念な内容。今月はあと1週間あるが、仕入れのノルマは達成できそうにない。遠征中の某所長さんとニアミスしてたっぽい。やっぱりシングルも見た方がいいのかな、と早速ブレそうになる。

でもやっぱり自分の強みは「蓄積」だと思うので、これからも地味にふきのとうとかスティーリー・ダンとかリチャードホールとかを仕入れていきたい。他人の「買えたもの」が自分の「買えなかったもの」だということは、自分の「買えたもの」は他人の「買えなかったもの」…とは限らないが、そう考えると少しは気が楽だ。

某店でまさかのプロパーチャゲアス特設コーナー

★★★

最近売れたもの

2,205→4,900
はい、特需終了。「これなら最悪でもあまり暴落しそうにない」という消極的理由で購入。普段より1Kくらい高いだけだったね。一瞬だけ夢を見たグラフ

★★★

ミュージシャンが死んだり、バンドが再結成したりしてCDやDVDが売れるのはまあわかる。でも、逮捕されて売れるっていうのはどういう心理なのかよくわからない。あるいは定価の何倍もの金額を出すくらい欲しいのなら、なぜ普通の値段の時に揃えておかないのかとか…。まあそういう分析はコメンテーターやエッセイストやコラムニストやあるいはアルファブロガー(最近知った言葉)に任せておけばよい。

僕のような、ちょっとサブカルかじったロキノン系小僧にとって、チャゲ&飛鳥なんてのはアルフィーやチューブと並んで商業主義・大衆主義の象徴として最も唾棄すべき存在だった。馬鹿みたいな話だけど。今はもう大人なのでさすがにそんなことは思わない。飛鳥の力技ボーカルはやっぱり凄いと思うし、CDバブル期のメガヒットよりも前から、根強いファンがいることも知っている。そして、今はそれほど熱心なリスナーではないが、自分の歴史を振り返りたい沢山の人たち。今回の相場を形成しているのもそんな人たちなのだろう。でもやっぱり「僕のための音楽じゃない」という感想には変わりない。音楽ってパーソナルなものだ。